QUESTION & ANSWER(インフルエンザ)
熱帯でもインフルエンザが流行するのはなぜですか.
掲載誌
インフルエンザ
Vol.16 No.3 29,
2015
著者名
青木洋介
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
/
小児科
媒体
インフルエンザ
インフルエンザは日本のような温帯地域では低温・低湿季に流行しますが,これは空気中のエアロゾル内でのインフルエンザのsurvivalに適しているということで,この条件でなければ増殖できないという訳ではありません1)2).むしろ,多雨・多湿の熱帯地域,あるいは亜熱帯地域では,ウイルスの生存力(survival)や伝播(transmission)は低下するものの,発生率は高いことが世界78地域での調査研究で報告されています(図1)1).事実,インフルエンザウイルスは,33~34℃の環境下での発育鶏卵に接種した臨床検体から分離されます2).また,インドやタイではインフルエンザの発生は通年性に認められ,セネガルやナイジェリア,あるいは台湾では雨季に発生率が高いことが知られています3).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。