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予防(インフルエンザ)

インフルエンザ経鼻ワクチンについて

長谷川秀樹

インフルエンザ Vol.16 No.2, 35-39, 2015

インフルエンザ経鼻ワクチンはその名の通り鼻に噴霧して投与するタイプのワクチンである.現在注射で行われている皮下接種のワクチンと比較し痛みをともなわず簡便に接種が可能である.しかしその特徴は接種の簡便さだけでなく誘導される免疫に大きな違いがある.現行のワクチンで誘導される免疫はおもに血中を循環する全身性の液性免疫であるのに対して経鼻ワクチンは粘膜表面に分泌型IgA抗体を誘導する.血中の抗体はインフルエンザウイルスの感染を阻止するものではないのに対し粘膜免疫の主役である分泌型IgA抗体は粘膜面の表面で感染を阻止することができる.さらに分泌型IgA抗体には変異ウイルスに対する交叉防御能がある.インフルエンザ粘膜ワクチンは粘膜免疫を誘導しインフルエンザワクチンの目標を達成するための強力なツールになる.しかし粘膜免疫とりわけ呼吸器におけるその機能についてはまだ不明な点が多い.粘膜ワクチンもその臨床開発はまだこれからである.次世代ワクチンとしての粘膜免疫誘導による不活化経鼻インフルエンザワクチンの開発について概説する.
「KEY WORDS」インフルエンザ,経鼻ワクチン,IgA抗体,粘膜免疫

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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