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Voice of pharmacist

脳症と薬剤

寒河江和子堀美智子

インフルエンザ Vol.16 No.2, 21-23, 2015

「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版」によると,無治療では約30%だった致命率が,最近では8~9%まで改善しているという.それでも15~25%には後遺症が残るとされ,早い段階での適切な処置が望まれる.一部には「インフルエンザ脳症は薬害」と声を荒らげるマスコミも存在するが,原因については不明な部分も多い.ただし,なかには急性脳症やライ症候群類似の症状を起こす薬剤も知られており,慎重な対応が望まれる場合もある.

「1.小児の急性脳症と薬剤」厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル・小児の急性脳症」では,小児急性脳症の発症に関与すると考えられる代表的な薬剤として,NSAIDs(サリチル酸系製剤,メフェナム酸,ジクロフェナクナトリウムなど),バルプロ酸ナトリウム,テオフィリン,カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン,タクロリムスなど)を挙げている(表1).インフルエンザに対して,アスピリンやジクロフェナクナトリウム,メフェナム酸の使用を避けることはよく知られていることだが,長期連用されることが多いテオフィリンやバルプロ酸ナトリウムなどでも急性脳症の報告があり,注意が必要である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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