治療(インフルエンザ)
              
 インフルエンザ脳症の治療
                  掲載誌
                
 
                  インフルエンザ
                  Vol.13 No.3 29-35,
                  
                    2012
                  
 
                    著者名
                  
  
                          河島 尚志
                        / 
                          森地 振一郎
                        / 
                          山中 岳
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          呼吸器
                        / 
                          神経疾患
                        / 
                          小児疾患
                        / 
                          感染症
                        
                    診療科目
                  
  
                          手術・救急
                        / 
                          小児科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      インフルエンザ
                    
 年間1,000例ほどのさまざまな原因による脳症が発症しているが, インフルエンザが最多である. 現状におけるインフルエンザ脳症に一般に行われている治療法について, ガイドラインを中心に紹介した. 支持療法が治療の基本であり, 呼吸循環管理, 痙攣の頓挫, 血糖管理, 体温管理, 脳圧降下薬の使用を行う. 加えて, 高サイトカイン血症を鎮静化させることと神経保護を目標にした特異療法を過不足なく行うことが必要である. しかしながら, これらの特異治療を実施した例はいまだ少数であり, 脳症に対する治療効果についての十分なエビデンスは得られていない. ステロイドパルス療法のみ早期に開始した場合に統計的に有意に予後を改善することが確認されている. 「はじめに」1994年の予防接種法の改定後, インフルエンザワクチン接種者は激減し, インフルエンザ感染者が増加することが予想されていた. こういった状況下, インフルエンザ流行中の短期間に多くの痙攣や意識障害を伴う急死例が小児を中心に全国的に経験されるようになった.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。