QUESTION & ANSWER(インフルエンザ)
ある抗インフルエンザ薬で効果が不十分な場合,ほかの抗インフルエンザ薬への切り替えは可能でしょうか.
掲載誌
インフルエンザ
Vol.13 No.3 25,
2012
著者名
河合直樹
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
/
小児科
媒体
インフルエンザ
現在, 主に使用されている抗インフルエンザ薬はオセルタミビル(内服薬), ザナミビル(吸入薬), ラニナミビル(1回完結型の吸入薬), ペラミビル(点滴注射薬)のノイラミニダーゼ(NA)阻害薬4剤と考えられます. ご質問にある「抗インフルエンザ薬で効果が不十分な場合」という点ですが, NA阻害薬はいずれも有効性が高く, 正しく使用すれば投与開始2日程度で多くの症例は熱が下がり(日本臨床内科医会のデータでは, A型の80%以上はNA阻害薬の投与開始48時間以内に37.4℃以下に解熱), 症状も改善します. もし投与開始後3日以上高熱が続き, 症状が改善しなかったり悪化するような場合は, NA阻害薬の効果が不十分というだけでなく, 肺炎などの合併症の存在も考慮する必要があります. また「ほかの抗インフルエンザ薬への切り替えは可能か」という点ですが, 現在の保険診療では原則として1回のインフルエンザ罹患でNA阻害薬2剤の使用は認められていないようです(たまたま同月内に時期を変えてA型とB型に2回罹患した場合は, 同一レセプトで2剤請求することは可能).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。