QUESTION & ANSWER(インフルエンザ)
インフルエンザ治療薬で早期解熱して外出すると,人に感染してしまうのでしょうか.また,新しくなった学校保健安全法のインフルエンザにおける出席停止基準について教えて下さい.
掲載誌
インフルエンザ
Vol.13 No.3 24,
2012
著者名
中野貴司
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
小児疾患
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
耳鼻咽喉科
/
小児科
媒体
インフルエンザ
ノイラミニダーゼ阻害薬をインフルエンザの治療に用いると, 発熱や呼吸器症状の持続が無治療の場合と比較して短縮されることが, 各薬剤の臨床試験で報告されています1). そこで, もし治療してもウイルス排泄期間や量が不変であれば, 早期に症状が軽快した者が社会復帰することにより他人への感染リスクが増大するという考え方もあります. 小児を対象とした研究で, ノイラミニダーゼ阻害薬治療の有無により, ウイルス排泄期間に有意差はなかったいう報告があります2). その一方で, 成人での感染実験において, オセルタミビル治療群は, 無治療群と比較してウイルスの排泄は早期に軽減しました3)(図1). 患者背景やウイルス亜型, 重症度などにより結果は多様と推察され, 治療により病原体を早期に消滅できる期待もあります. インフルエンザ治療薬の感染拡大への影響は, ひと言では結論できないと考えます.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。