SUMMARY  インフルエンザに保険適応がある漢方薬の麻黄湯の有用性について検討した.A型,B型における解熱時間(投与開始~解熱)はオセルタミビル(Os)やザナミビル(Zn)とほぼ同等ないし若干長いが,シーズンやウイルス(亜)型によってやや異なり,また成人よりも小児で長い傾向にあった.発熱時間(発症~解熱)は抗インフルエンザ薬の非投与例よりも麻黄湯投与により短縮する傾向にあった.麻黄湯投与後のウイルス残存率はOsやZn投与後よりもA型では高く,B型ではむしろ低い傾向にあった.インフルエンザに対する麻黄湯の効果はサイトカイン調節作用が中心と思われるが,一部抗ウイルス作用も示唆された.麻黄湯はインフルエンザ治療薬として有用と考えられた.