菅谷(司会) 今シーズンはいくつかの面で,なかなか興味深いシーズンでした.1つは,初めてラニナミビル(イナビル®)とペラミビル(ラピアクタ®)が使用されました.これから耐性や有効性の問題が日本から出てくるだろうと思います.
2つめは流行の仕方で,今年は新型インフルエンザH1N1 2009pdm注1)の第2波があると思っていたのですが,最初はA香港型が流行しました.第2波は本当にくるのかと思っていたところに,1月に入ってからやはり第2波が始まり,2月初旬ぐらいまで流行しました.そしてそれが終わった頃,おおよその予測のとおり,B型が出てきて3月現在もかなり流行しています.
私たちの病院も大流行はしないのですが,毎日2~3人はB型患者さんがおり,なかなか熱が下がらない例で入院患者も出ています.
そういうことで,鼎談というかたちでできるだけ今シーズンを振り返ってみたいと思います.
注1):2009年春頃より発生したブタ由来のA/H1N1亜型の新型インフルエンザ.なお,新型インフルエンザ(A/H1N1)は,2011年4月1日より季節性インフルエンザとして取扱われ,名称については「インフルエンザ(H1N1)2009」となっている.
全文記事
鼎談(インフルエンザ)
今シーズン(2010-2011シーズン)のインフルエンザの流行について
掲載誌
インフルエンザ
Vol.12 No.3 9-21,
2011
著者名
菅谷 憲夫
/
齋藤玲子
/
西藤成雄
記事体裁
座談会・対談
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全文記事
疾患領域
感染症
診療科目
一般内科
媒体
インフルエンザ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。