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鼎談(インフルエンザ)

今シーズン(2010-2011シーズン)のインフルエンザの流行について

菅谷憲夫齋藤玲子西藤成雄

インフルエンザ Vol.12 No.3, 9-21, 2011

 菅谷(司会) 今シーズンはいくつかの面で,なかなか興味深いシーズンでした.1つは,初めてラニナミビル(イナビル®)とペラミビル(ラピアクタ®)が使用されました.これから耐性や有効性の問題が日本から出てくるだろうと思います.
 2つめは流行の仕方で,今年は新型インフルエンザH1N1 2009pdm注1)の第2波があると思っていたのですが,最初はA香港型が流行しました.第2波は本当にくるのかと思っていたところに,1月に入ってからやはり第2波が始まり,2月初旬ぐらいまで流行しました.そしてそれが終わった頃,おおよその予測のとおり,B型が出てきて3月現在もかなり流行しています.
 私たちの病院も大流行はしないのですが,毎日2~3人はB型患者さんがおり,なかなか熱が下がらない例で入院患者も出ています.
 そういうことで,鼎談というかたちでできるだけ今シーズンを振り返ってみたいと思います.

注1):2009年春頃より発生したブタ由来のA/H1N1亜型の新型インフルエンザ.なお,新型インフルエンザ(A/H1N1)は,2011年4月1日より季節性インフルエンザとして取扱われ,名称については「インフルエンザ(H1N1)2009」となっている.

<出席者>(発言順)
神奈川県警友会けいゆう病院小児科
菅谷憲夫

新潟大学大学院医歯学系国際保健分野教授
齋藤玲子

西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック院長
西藤成雄

2010-2011シーズンの流行の特徴

 菅谷 まず,今年の流行状況について,齋藤先生はどう感じていらっしゃいますか.
 齋藤 私どもが例年行っている調査なのですが,北海道から長崎までの7つの都道府県の先生方にご協力いただき,各地のインフルエンザの型別,耐性などについて1,000件以上の検体を集め調査いたしました.結果的にみると,今年のシーズンの特徴は各地で流行した型・亜型がさまざまだったといえると思います.
 北海道,新潟,群馬ではA香港型優位で,H1N1 2009pdmは少なめでした.京都,兵庫,大阪ではほとんどH1N1 2009pdmで,長崎がA香港型とH1N1 2009pdmの半々ぐらいの流行だったということで,地域によって流行型にかなりバラエティがあったと思います.
 菅谷 B型はどうでしたか.
 齋藤 B型は,1月まではあまりみられませんでしたが,3,4月に入り全国各地で流行しました.
 菅谷 時期的には最初にA香港型で,次にH1N1 2009pdm,その次にB型という動きですか.
 齋藤 そうですね.感染症情報センターの「病原微生物検出情報」に,各都道府県の分離型別の結果が公開されており,それを地図にしてきました(図1~3).

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