SUMMARY  従来の孵化鶏卵培養法に代わり,細胞培養法を用いた新型インフルエンザワクチンの開発が進んでいる.動物細胞(Vero細胞,MDCK細胞,PER.C6細胞)と昆虫細胞(SF9細胞,expresSF+細胞)が主に用いられており,それぞれの開発ステージにおいて安全性と忍容性が確認されている.新型インフルエンザワクチンの有効性の指標となる免疫原性評価では高い免疫原性を示すことが要求されるため,細胞培養によるワクチン原液の高生産性を生かした接種抗原量の増加やアジュバントの添加による免疫原性の強化が図られている.近い将来,さまざまな細胞培養法による十分量のワクチンが製造され,利用可能となるワクチンの選択肢も増えていくことが期待される.