2007/2008年(1群),2008/2009年(2群)のソ連型と2009/2010年(3群)のH1N1pdmの各H1N1型におけるオセルタミビル(Os)投与後の症状やウイルスの残存,H275Y変異を比較し,3群ではIC50も解析した.3群は1群と同様に2群よりも解熱は速やかであったが,咳などの症状は2群のみならず1群よりも残存する傾向にあった.またウイルス残存率は2,3群では15歳以下が16歳以上よりも有意に高かった.H275Y変異は2群以外に3群でも3例(1例は投与前,2例はOs投与後)に検出された.Os投与後の変異2例はIC50が投与後200倍以上になり,1例で発熱が遷延した.H1N1pdmではOs投与後,解熱は速いが特に小児ではウイルス排泄が長く,ウイルス残存例の一部(9%程度)ではH275Y変異が起きている可能性が示唆された.