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治療(インフルエンザ)
新型インフルエンザH1N1の症状と治療
掲載誌
インフルエンザ
Vol.11 No.3 51-56,
2010
著者名
河合直樹
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前田哲也
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松浦伸郎
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山内知
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田中治
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岩城紀男
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池松秀之
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西村美香
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柏木 征三郎
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
呼吸器
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感染症
診療科目
一般内科
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呼吸器内科
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耳鼻咽喉科
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老年科
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小児科
媒体
インフルエンザ
2009年秋に大流行した新型H1N1の症状と抗インフルエンザ薬(抗イ薬)の治療効果などを2007/2008年および2008/2009年のH1N1と比較した. 対象はPCRで確定したH1N1例で2007/2008年(68例)と2008/2009年(256例)はソ連型, 2009/2010年(300例)は新型である. 新型は平均年齢が低く(18.2歳), 10代が54.2%を占めた. 37.5℃または38℃以上の発熱, 咳, 咽頭痛, 嘔吐, 下痢の出現頻度は有意差がなかったが, 倦怠感, 鼻汁, 筋肉痛, 頭痛, 食欲不振の頻度は新型で低い傾向にあった. ザナミビル解熱時間は3シーズン間で有意差を認めなかったが, オセルタミビル解熱時間は新型では2008/2009年のソ連型(同薬耐性)より短く, 2007/2008年のソ連型よりもさらに短い傾向にあった. 新型は一部で重症例もあるが, 一般的には前2年のH1N1よりも症状は同程度かやや軽い傾向にあり, 両抗イ薬の有効性も高いと思われた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。