全文記事
公衆衛生(インフルエンザ)
沈降インフルエンザワクチンH5N1の開発と今後
掲載誌
インフルエンザ
Vol.11 No.1 63-68,
2010
著者名
庵原俊昭
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
/
小児科
媒体
インフルエンザ
2009年4月に新H1N1が流行するまでは, H5N1によるパンデミック対策が世界の重要なテーマであった. H5N1パンデミックに備え, 世界各国で季節性インフルエンザワクチンと異なる剤形のプロトタイプワクチンが開発された. 本邦で開発された沈降インフルエンザワクチンH5N1は, 水酸化アルミニウムをアジュバントとする全粒子ワクチンで, 初回接種により優れた免疫priming効果があり, 株が異なるワクチンの追加接種により幅広い交差免疫性が誘導された. H5N1がパンデミックを起こすことが確実ならば, パンデミック前に希望者に接種する対策も考慮すべきであるが, 不確実な時点で接種するのは時期尚早であろう. 『はじめに』 1997年香港において高病原性鳥インフルエンザウイルス(highly pathogenic avian influenza virus;HPAIV, H5N1亜型)のヒトへの感染が報告されて以来, ベトナム, インドネシア, エジプトなど世界各地でHPAIVのヒトへの感染が報告されている1)2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。