「Summary」画像診断は,血管障害の病態評価や治療法の選択を行ううえで欠くことのできない存在である.超音波エコーや血管造影法などに加えて,多検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)や核磁気共鳴画像法(MRI)などが広く用いられているが,形態を評価することを主目的とするために病変局所を質的に評価することは困難である.近年,病変局所で起こる分子挙動を外部から捉えて画像化することが可能なポジトロン断層撮影(PET)が分子イメージングとして発展し,18F-fluorodeoxyglucose(FDG)をトレーサーとしたPETは炎症病変を描出することが可能なモダリティとして臨床応用されている.本稿では,FDG-PETを用いて血管炎症を診断する試みについて解説する.