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生命機能を支えるメカノセンシング

機械受容器のメカノセンシング機構

─Piezoチャネルを中心に

仲谷正史

血管医学 Vol.17 No.2, 93-99, 2016

「Summary」本稿ではPiezoチャネルファミリーの生体における役割について論じるとともに,代表的な機械受容器で,やさしく触れた時に応答するMerkel細胞について概説する.メカノセンシングを担うチャネルとして,Piezoチャネルの研究が2010年以降,急速に進展してきた.特に,触覚における機械受容器ではPiezo2チャネルが発現しており,外界から皮膚へ物理的な機械刺激が与えられた時に,その情報を求心性の感覚神経を通して中枢神経系に伝達する重要な役割を司ることが明らかになった.本稿では特に,圧力の情報を司る機械受容器:Merkel細胞-神経複合体がどのようにして機械刺激を求心性の感覚神経の活動電位に変換するのか,これまでにわかっているその生理メカニズムを中心に論じる.
「はじめに:機械受容チャネル overview」機械受容器と聞いて,読者にとって思い浮かべるのは何であろうか.聴覚の研究者であれば,有毛細胞のことを思い浮かべると思われる.もしモデル生物の研究者であれば,ショウジョウバエのbristle(刺毛),線虫が持つ機械受容チャネルであるDEG/ENaC(アミロライド感受性Na⁺チャネル蛋白)を思い浮かべるかもしれない.筆者は,皮膚感覚,すなわち触覚の研究者としてイオンチャネル生理学研究に携わったことから,機械受容器といえば,皮膚の中に存在しているものと思い浮かぶ.
「KEY WORDS」Piezoチャネル,触覚,Merkel細胞-神経複合体,赤血球のメカノセンシング,血管

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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