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今が旬!マイクロRNA・エクソソーム最前線

エクソソームが形成するがん微小環境

吉岡祐亮落谷孝広

血管医学 Vol.17 No.2, 85-91, 2016

近年,細胞外小胞が多彩な生命現象に関与していることが明らかとなってきたが,疾患とも深く関わっていることも明らかとなっている.特に,がんとの関連は多くの研究から報告されている.エクソソームは細胞間コミュニケーションツールとして使われており,その特性から腫瘍組織内に存在するさまざまな細胞が自身に有利になるようエクソソームを利用し,正常細胞はがん細胞に対抗するように,そして,がん細胞は悪性度を高めようとしている.本稿では,主要組織や前転移ニッチの形成に関与するエクソソームについて概説する.
「はじめに」あらゆる細胞が分泌するナノメートルサイズの細胞外小胞が,細胞間コミュニケーションツールとして,われわれの生体内に存在している1).われわれ「ヒト」以外の生物,多くの脊椎動物,無脊椎動物から細菌でも,その存在が確認されており,同様に細胞間コミュニケーションツールとして機能することが知られている2).
「KEY WORDS」エクソソーム,マイクロRNA,がん微小環境,細胞間コミュニケーション

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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