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生命機能を支えるメカノセンシング

発展するメカノセンシング研究

曽我部正博

血管医学 Vol.16 No.4, 73-85, 2015

「Summary」過去10年の間に,生体における“力”の役割と仕組みの解明,およびその応用を目指す「メカノバイオロジー」という学問領域が誕生した(註1).その対象領域は分子,細胞,組織,器官から個体にわたるが,中心課題のひとつが力覚(メカノセンシング)機構の解明である.本稿はシリーズ企画「生命機能を支えるメカノセンシング」の初弾であり,引き続いて機械受容チャネル,接着構造と細胞骨格,機械受容器,循環系,多細胞系の力覚に関する5つの論文が刊行される予定である.ここでは,これらの論文の基礎となる細胞力覚をめぐる研究の背景と展望について解説する.
「Key words」身体力覚,細胞力覚,能動力覚,メカノセンサー,機械受容(MS)チャネル,非チャネル型メカノセンサー,接着斑,細胞骨格

(註1)日本医療研究開発機構(AMED)は2015年6月に「革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST,PRIME)」の研究開発領域「メカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出」の公募を開始した.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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