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ゲノム科学からゲノム医療へ

ナショナルセンターのバイオバンク事業

宮本恵宏

血管医学 Vol.16 No.2, 89-93, 2015

「SUMMARY」疾患形成には年余を必要とし,ヒトでしかわからない病態が存在する.医学研究のインフラストラクチャーとして,ヒト組織および血清などの生体試料を臨床所見,データと一緒にして蓄積していくシステムとしてのバイオバンクの整備が求められている.6つのナショナルセンターは主要な疾患を網羅し,その疾患の解明と治療法の開発を目指す医療研究機関であるが,保有するバイオリソースを統合して共同のバイオバンクを構築することが事業の目的である.
「はじめに」疾患形成には年余を必要とし,短命の動物実験のデータでは解明できない,ヒトでしかわからない病態が存在する.また,ゲノム情報は種間の違いはもちろんのこと,人種差や個人の多様性がある.そこで,医学研究のインフラストラクチャーとして,ヒト組織および血清などの生体試料を臨床所見,データと一緒にして蓄積していくシステムとしてのバイオバンクの整備が求められている.われわれは,ナショナルセンターにおけるバイオバンクの整備を進めており,本稿ではその取り組みを紹介する.「KEY WORDS」バイオバンク,ナショナルセンター,カタログデータベース,ゲノム医療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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