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特集 LDL/HDLコレステロールを標的とした動脈硬化症の新しい治療ストラテジー

機能不全HDLに対する治療戦略

入野康宏石田達郎杜隆嗣

血管医学 Vol.16 No.1, 53-60, 2015

「Summary」高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)は動脈硬化性疾患の負の危険因子である.しかし,HDL-C値の上昇を目的に開発されたコレステリルエステル転送蛋白阻害薬による心血管疾患の予防効果はこれまでのところ証明されていない.一方,HDLは,コレステロール引き抜き能,抗酸化作用や抗炎症作用などさまざまな生理作用を有し,その機能不全が動脈硬化の発症・進展に関与することが示唆されている.近年,HDLを単に量的にコントロールするだけではなく,機能不全に陥ったHDLの回復を目標とした新たな治療戦略が模索されている.
「はじめに」高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)値が動脈硬化性疾患の独立した負の危険因子であることは,数多くの疫学調査によって明らかにされている.しかし,HDL-C値を上昇させることを目的に開発されたコレステリルエステル転送蛋白阻害薬が心血管疾患発症を予防することが期待され,いくつかの大規模臨床試験が行われたが,その効果は現時点で明らかにされていない.
「Key words」HDL-C値,HDL機能,機能不全HDL(dysfunctional HDL),アポA-Ⅰ修飾

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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