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バイオマーカーと心血管疾患の評価

HDLコレステロール

杜隆嗣平田健一

血管医学 Vol.15 No.3, 79-87, 2014

肥満や糖尿病,喫煙などに伴う高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)値の低下は心血管疾患の危険因子となる.しかし,コレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬による心血管疾患の予防効果はこれまでのところ証明されておらず,また遺伝子変異に伴う高HDL-C血症が冠動脈疾患の発症頻度と必ずしも相関を示さないことなど,HDL-C値はただ高ければよいというわけではなさそうである.HDL-C測定の臨床的意義を考えるうえで,HDL代謝・コレステロール逆転送系およびHDL-C値に影響を与える因子を理解する必要がある.一方,HDLは多彩な抗動脈硬化作用を有するが,リン脂質や蛋白などの構成成分の変化や化学的修飾により善玉としての機能が失われることが示唆されており,多角的にHDLを評価する試みがなされている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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