【特集 CKDにおける血管病変の進展】
CKDでの血管病変進展機序:(2)リン
掲載誌
血管医学
Vol.15 No.3 33-40,
2014
著者名
奥野 仙二
/
稲葉 雅章
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
腎臓
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
泌尿器科
/
老年科
媒体
血管医学
「Summary」慢性腎臓病(CKD)患者のみならず,一般人においても血清リンが高いと生命予後が不良であることが知られるようになってきている.リンが生命予後と関連する機序のひとつとして,リンおよびその調節因子である線維芽細胞増殖因子23(FGF23),副甲状腺ホルモン(PTH)やビタミンDが血管病変と関連することが挙げられる.実際にCKD患者において,血清リン濃度と動脈の内膜中膜肥厚度や脈波伝播速度が関連することが報告されている.リンは,活性酸素の産生増加,一酸化窒素の産生抑制,アポトーシスの促進,内皮細胞においてさまざまな役割を有するアネキシンⅡの減少などにより血管内皮障害を起こし,動脈硬化を促進すると考えられている.また,リンは血管平滑筋細胞を骨芽細胞様細胞へ形質転換させ,血管石灰化を促進する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。