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特集 CKDにおける血管病変の進展

心血管リスクとしてのCKD

鈴木洋通

血管医学 Vol.15 No.3, 9-15, 2014

「Summary」CKDという概念は,心血管疾患の最大の危険因子であるという事実から作り出されたといっても過言ではない.CKDには大きく分けて2つの意味があり,ひとつはアルブミン尿もしくは尿蛋白の尿異常,もうひとつは腎機能障害である.両者いずれもが単独あるいは相加,相乗してCVDの危険因子となり得る.何故そのようになるかということに関しては,多くの仮説が現在は提唱されている.腎機能障害が存在すると,人体にとって有害となる物質が十分に除去されず,それに伴い心臓をはじめ多くの臓器に障害が生じる.より明確な因子としては,貧血,Ca・P代謝,代謝性アシドーシスがあり,これらは心臓,特に心筋に直接作用し障害をもたらす.さらに腎機能障害により,Na・水の代謝が不全となり,その結果が心血行動態に影響を与える.一方,アルブミン尿や蛋白尿が腎臓へ障害を及ぼすのと同じ機序が,心臓や血管に働いてCVDを起こしてくる可能性が指摘されている.実際にはこれらが複雑に絡み合って,CKDがCVDを引き起こしていると考えられる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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