【特集 臓器連関による代謝調節Up-to-Date】
グレリンによる神経求心作用
掲載誌
血管医学
Vol.14 No.1 17-21,
2013
著者名
土持若葉
/
上野浩晶
/
中里雅光
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
神経疾患
診療科目
一般内科
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循環器内科
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腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
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神経内科
/
老年科
媒体
血管医学
「Summary」グレリンは主に胃から産生・分泌されるペプチドホルモンで, 成長ホルモン分泌, 食欲, 胃液分泌および腸管運動の亢進, 血圧降下や心拍出量増加, 抗炎症など多彩な生理作用を有する. これらは, グレリン受容体(GHS-R)を介した直接作用と迷走神経を介した作用が考えられている. 最近, いくつかの消化管ホルモンは迷走神経求心系を介して脳への情報を伝達することが示されており, 実際, 迷走神経切断ラットでは, 摂食またはGH分泌に対するグレリンの作用は消失する. 迷走神経求心路は, 摂食やGH分泌に対するグレリンシグナルを伝達する主要な経路である. 「はじめに」摂食とエネルギー代謝調節は, 視床下部や大脳辺縁系といった中枢神経系と, 消化管, 膵臓, 肝臓, 脂肪組織および筋を含む末梢臓器で産生される摂食亢進物質と抑制物質の複雑な相互作用により調節されている. 食物が消化管内に入ると, 機械的な伸展と栄養素の流入による直接的または迷走神経求心路を介したシグナルにより, 摂食調節に作用するペプチドホルモンの分泌が変化する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。