【特集 過食時代における高血圧の病態と最新治療ストラテジー】
              
 肥満から慢性炎症,そして疾患へ―AIMによる慢性炎症誘発のメカニズム―
                  掲載誌
                
 
                  血管医学
                  Vol.13 No.3 19-25,
                  
                    2012
                  
 
                    著者名
                  
  
                          新井郷子
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                          宮崎徹
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          循環器
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                          高血圧
                        / 
                          代謝・内分泌
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般内科
                        / 
                          循環器内科
                        / 
                          腎臓内科
                        / 
                          糖尿病・代謝・内分泌科
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                          神経内科
                        / 
                          老年科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      血管医学
                    
 「Summary」肥満を基点として起こるさまざまな生活習慣病は, それぞれの疾患が互いに複雑に絡み合いながら次々に発症し, 個々に分かつことが困難であることが特徴である. そして, それらの多くは内臓脂肪の慢性炎症をベースとしていることが明らかになっている. 高血圧もまた, その疾患群の構成要素のひとつであり, 同様に根底に血管炎症が存在することが示唆されている. 本稿では, 肥満がなぜ慢性炎症を誘発するのか, その原因になる分子AIMと, それが血管炎症へ与える影響について解説する. 「はじめに」現代社会における大きな健康問題である肥満. その進行はインスリン抵抗性の惹起を基点として, 2型糖尿病, 動脈硬化性疾患, 肝機能障害といったさまざまな疾患を招くが, 近年では, 肥満からこれら疾患に至る過程には体内の慢性炎症がキー・イベントとして介在することが知られている. また, 特に日本では, このような現代的疾患群の多くは高血圧を伴う場合が多いが, 高血圧も, たとえば炎症マーカーであるCRP値との有意な性の相関が報告されるなど, 同様に血管内皮の炎症との関連性が指摘されている.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。