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特集 血管系のin vivoイメージング

生活習慣病への生体イメージングアプローチ

西村智

血管医学 Vol.13 No.2, 61-70, 2012

「Summary」最近の研究により各種生活習慣病の背景には, 慢性炎症を基盤とした異常な細胞間作用が生体内で生じていることが明らかになってきた. われわれは, 一光子・二光子レーザー顕微鏡を用いた「生体分子イメージング手法」を独自に開発し, 生活習慣病にアプローチしてきた. まず, 本手法を肥満脂肪組織に適応したところ, 肥満脂肪組織で, 脂肪細胞分化・血管新生が空間的に共存して生じ, また, 脂肪組織微小循環では炎症性の細胞動態が生じていた. 肥満脂肪組織にはCD8陽性T細胞が存在し肥満・糖尿病病態に寄与していた. さらに, 本手法を用いて生体内の血栓形成過程の詳細も明らかになり, iPS由来の人工血小板の機能解析も可能になった. 「緒言 なぜ生体イメージングなのか」心筋梗塞や脳卒中など動脈硬化性疾患の重大なリスク要因として, 内臓肥満とインスリン抵抗性を基礎とするメタボリックシンドロームが注目されている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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