特集 血管系のin vivoイメージング
血栓形成のリアルタイムイメージング
掲載誌
血管医学
Vol.13 No.2 17-23,
2012
著者名
浦野哲盟
/
鈴木優子
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
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心臓血管外科
/
脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
血管医学
「Summary」凝固系や血小板活性化過程には, 血流や正常内皮細胞ならびにほかの血球成分との応答がかかわる. 近年の光工学と蛍光タンパクの遺伝子工学の進歩により, 生体内の血管壁の可視化や, 血栓形成過程における特異機能分子の動態をリアルタイムでイメージングすることが可能になった. われわれはニポウ式共焦点蛍光顕微鏡を用いて, 緑色蛍光タンパク質(GFP)発現マウスの腸間膜血管内皮レーザー照射後の微小血小板血栓形成過程を解析し, 時空間的に調節される血小板活性化機構を明らかにした. GFP発現マウスとフォンウィルブランド因子切断酵素遺伝子ノックアウトマウスとの交配種を用いて解析した, 同酵素の生体内での機能発現機構の解析結果と併せて報告する. 「はじめに」凝固系や血小板活性化機構は, おもに精製系や静止系で解析されてきたが, 血栓形成過程における血流や正常内皮細胞やほかの血球成分との応答の重要性が認識され, ex vivoのさまざまなチャンバーモデルや生体内での解析の報告が増加してきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。