【特集 癌の抗血管新生療法】
乳癌に対する抗血管新生療法
掲載誌
血管医学
Vol.13 No.1 35-41,
2012
著者名
澤木正孝
/
岩田 広治
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
一般外科
/
腫瘍内科
/
放射線科
媒体
血管医学
「Summary」血管新生は癌細胞の増殖に必須であり, 抗血管新生療法はさまざまな癌種で評価されている. 乳癌においては, 抗血管新生治療薬であるベバシズマブが新たに手術不能・再発乳癌に対して保険収載され, 乳癌の薬物療法は新たな局面を迎えた. 従来の治療法に加えて本治療を有効に活用することが期待されるなかその適応は有効性に加え, 有害事象, 医療経済なども含めて総合的に勘案する必要がある. 同時に, 効果予測因子の研究や抗血管新生療法としての小分子チロシンキナーゼ阻害薬の開発が進められている. 「はじめに」血管新生は癌細胞の増殖に必須であり, 抗血管新生療法はさまざまな癌種で評価されている. 本稿では乳癌に対する抗血管新生療法の現状と適応, 治療成績, 課題について, 臨床面から考えたい. 「Bevacizumab(ベバシズマブ)」血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)に関する検討が進むなか1), 複数の抗血管新生薬が開発され, とくにベバシズマブは, 血管新生阻害薬のなかでほかに先んじてその有効性が証明された薬剤である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。