【特集 癌の抗血管新生療法】
抗血管新生薬の開発
掲載誌
血管医学
Vol.13 No.1 11-17,
2012
著者名
林 秀敏
/
西尾 和人
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
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呼吸器
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消化器
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泌尿器
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癌
診療科目
一般外科
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呼吸器内科
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消化器内科
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泌尿器科
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腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
血管医学
「Summary」腫瘍血管は正常の血管と病態生理学的に大きく異なる. 血管新生の異常が悪性腫瘍において重要であることが近年の基礎的研究より知られてきており, VEGF-VEGFRなどのさまざまな血管新生のシグナルの異常が研究されている. さらには実際の臨床面においても, ベバシズマブをはじめとした抗血管新生薬の進歩は著しく, 大腸癌や肺癌, 腎細胞癌, 肝細胞癌など多種の癌種において臨床試験における有効性が証明されており, わが国においても保険承認され使用されている. 今後は未知の血管新生シグナルに対する薬剤の開発, 腫瘍血管の血管新生阻害薬耐性時のシグナル変化や抗血管新生薬における治療効果などを予測するバイオマーカーの開発が求められる. 「はじめに」進行癌における抗癌剤治療は新薬の開発により目覚ましい発展を遂げている. とくに, 従来の細胞傷害性の抗癌剤とは異なる. ある特定の癌関連分子を標的とした分子標的治療薬の進歩は目覚ましく, 多種にわたる分子標的治療薬が実地臨床で使用されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。