Summary コレステロールの代謝は細胞・生体において精密に制御されている.マイクロRNA(microRNA;miRNA)が転写後調節を介してさまざまな病態や疾患形成に関与することが示され,コレステロール代謝においてもmiRNAの関与が明らかになりつつある.最近,SREBF-2のイントロンに存在するmiR-33がABCA1の発現制御を介してHDLコレステロール形成にかかわることが細胞および実験動物を用いた研究により明らかになった.HDLコレステロールは心血管イベントと負の相関を示すことから,今後,miR-33制御のヒトへの応用が期待される.