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長い時空を旅する血液
第2回 血液は循環する:“流れる組織=血液”の運河
掲載誌
血管医学
Vol.12 No.2 93-100,
2011
著者名
丸山 征郎
記事体裁
連載
/
コラム
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全文記事
疾患領域
循環器
/
血液
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
/
血液内科
媒体
血管医学
本エッセイ“長い時空を旅する血液”の第1回(血管医学2011年2月号)で「血液の長い旅路」と題して,血管が“ライフライン(life line)”であること,このライフラインたる血管の中を旅するのは血漿と血球であり,成人1人当たりその総「道のり」はなんと10万kmにも及ぶ長い旅路であることを述べた.10万kmというと実に赤道周囲の2回り半という長さで,フルマラソン2,300回分である.筆者はジョギングを趣味としており,余暇にはよくジョギングを楽しむが,これまでの総走行距離はまだまだこの5分の1に過ぎない.自分はまだまだ精進が足りない!というか,「血液!お主もやるなー!」とでもいうべきか,血液の旅は大変なものである.
しかし血液はなにゆえに,かくも“せわしく”身体中を循環するのであろうか?今回は,血液がわれわれの閉鎖された循環系の内部を何回も何回も休むことなく巡ること,すなわち血液が循環するという血液循環説の成立に至る背景と歴史,そしてその意味論について述べることにする.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。