Summary 怪我をした際,止血系と免疫系は連動して生体防御にあたる.たとえば,白血球は血栓の増大・成長を促すことによって,外来微生物を局所に封じ込めようとする.外来微生物の侵入を感知すると,単球は組織因子を発現するようになり,血液凝固反応を進める.また,好中球は好中球エラスターゼを放出し,組織因子経路抑制因子を不活化することによって,血液凝固反応を進める.このようにしてできた血管内血栓は,外来微生物の全身への拡散を防いでいると考えられ,生体防御的役割を担っていると考えられるが,その一方で,血流障害や組織障害を引き起こす原因にもなっている.