Summary
近年,生活習慣の多様化に伴い運動不足や肥満の増加が社会的問題となっている.医学的にも運動不足や肥満により生体内で慢性炎症が誘導され,インスリン抵抗性や2型糖尿病などの糖代謝異常,脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの動脈硬化性疾患,神経変性疾患,癌の発症・浸潤・転移などさまざまな疾患に共通する基盤病態として注目を集めている.慢性炎症の分子病態,とくに鍵となる炎症メディエーターを明らかにし,その機能を解明することは,新たな治療法や予防法を開発するうえで重要である.われわれは,アンジオポエチン様因子2(Angptl2)が慢性炎症を基盤としたさまざまな疾患の発症や進展に炎症メディエーターとして寄与していることを見出しており,本稿においてその一端を概説する.
全文記事
生活習慣病と癌の基盤病態としての慢性炎症
慢性炎症メディエーターAngptl2と生活習慣病と癌の病態生理
掲載誌
血管医学
Vol.12 No.1 79-84,
2011
著者名
尾池 雄一
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
癌
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
腫瘍内科
媒体
血管医学
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。