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心血管代謝と老化シグナル

加齢と血管新生能

竹下享典室原豊明

血管医学 Vol.9 No.1, 57-63, 2008

高齢者社会への移行に伴い, 虚血性心疾患による死亡者の増加が問題となっている. 加齢による血管新生能の低下は, 高齢者の虚血性疾患の増悪に大きく関与している. 血管新生能低下の原因となる血管の老化と, それに伴う血管機能の低下の原因について, 細胞レベルと個体レベルでのメカニズムが検討されている. 内皮細胞の老化の機序は, テロメア依存性の系と過剰な増殖シグナル, 酸化ストレスを介したテロメア非依存性の系が挙げられる. 老化した内皮細胞は, 血管機能低下を来して血管新生能が低下する. 個体レベルでの老化による血管機能の低下は, (1)血管拡張能の低下, (2)血栓傾向, (3)サイトカインの産生および感受性の低下, (4)細胞外マトリックスの代謝異常, (5)血管内皮前駆細胞(EPC)の動員, 機能の低下, が挙げられる. 本稿では, これらの加齢による血管新生能の低下のメカニズムについて触れる. はじめに 国勢調査によると. わが国の65歳以上のいわゆる高齢者人口は, 2006年に21%に達した. その結果, 「ヒトは血管とともに老いる」と言われるように, 動脈硬化性疾患, 特に虚血性心疾患による死亡者は1958年より増加の一途にあり, 2004年にはすでに7万人を越えている. 実際, 加齢は急性冠症候群の危険因子のひとつであると指摘されている1).

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