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Summing Up(Frontiers in Glaucoma)

緑内障の手術

栂野 哲哉

Frontiers in Glaucoma No.59, 34-40, 2020

緑内障性視野障害の進行を抑制することがエビデンスをもって示されている唯一の治療法は眼圧下降である.これを得るための手段として点眼,レーザー治療,外科的手術があり,単独あるいは組み合わせることによって,それぞれの患者に必要な眼圧下降量の達成を目指す.濾過手術の代表である線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)は強力な眼圧下降効果と多くの病型に対応できる汎用性をもつことから,現在においても緑内障眼に対する観血的手術の主流である.Cairnsによる原法の報告(1968年)から50年の間,いくつかの改良が加えられてはいるものの,濾過胞を作成し結膜下に房水を導くという基本コンセプトに変化はない.一方で,すべての症例で長期にわたり安定した手術効果を得ることは容易でない点,低眼圧や感染症などの重篤な合併症も生じ得る点から,熟練した術者にとってもトラベクレクトミーへ踏み切ることを躊躇することもある.こうした背景もあり,濾過手術とは異なるコンセプトのもとで眼圧下降効果を得るべく多くの手術法が考案されてきた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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