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緑内障患者さんのアドヒアランス向上を目指して

Frontiers in Glaucoma No.49, 15-23, 2015

「アドヒアランス・継続通院の現状」「1.アドヒアランス低下の現状と要因」
山本(司会):ご存知のように緑内障は失明に至る可能性の高い疾患で一生涯にわたる治療を要しますが,2年以上治療された開放隅角緑内障における失明リスクファクターを検討したところ,アドヒアランス不良群が良好群に比べて有意に視野障害の進行が早く,アドヒアランス不良の要因として薬剤の副作用および患者自身の多様な不満が指摘されています.まずは,この点について先生方のご意見をお聞かせください.
杉山:アドヒアランスが悪ければ,当然患者さんに対する薬剤の有効濃度が低いわけですから期待された眼圧下降作用が得られず,眼圧が十分にコントロールされないことから視野障害の進行を早めることになります.緑内障の治療は患者さんが点眼して初めて成り立つ治療法ですので,これはまさに緑内障薬物療法における基本的な問題だといえます.点眼を続けても自覚症状の改善が認識できず,むしろ視野障害が徐々に進行することで自覚症状は悪くなりがちなこと,点眼の副作用としてドライアイや角膜上皮障害が惹き起こされ非常に不快感をもたらすことなど,患者さんにとって何も良いことがないように思われる点眼を一生続けるとなると相当な動機付けが必要となります.この動機付けが,アドヒアランスにおいて非常に重要となります.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録