日本緑内障学会
第23回日本緑内障学会 日韓シンポジウム:Pathogenesis of NTG (NTGの病態に迫る) 軸索流と緑内障性視神経症
掲載誌
Frontiers in Glaucoma
No.45 45-46,
2013
著者名
谷原 秀信
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Frontiers in Glaucoma
「神経細胞のネットワークとしての軸索輸送機構」緑内障における視野異常は, 網膜神経節細胞の視神経乳頭への軸索の投射パターンに対応しているとされている. つまり, 視神経乳頭で損傷が生じた場合, それに対応した視神経線維層が欠損し, 神経節細胞の細胞体が消失することが緑内障性視神経症の共通する現象と考えられている. これまで, 緑内障の発症および進行には, 眼圧を含めさまざまなリスク要因が指摘されてきた. 緑内障性視神経症における網膜神経節細胞死の分子機構を考えた場合, 軸索輸送は網膜神経節細胞に特有の現象というよりは, 神経細胞のネットワークを維持するために必要不可欠な分子機構といえる. 「緑内障の病態と神経栄養因子」緑内障性視神経症では, 軸索末端から網膜神経節細胞に至る神経栄養因子(neurotrophic factor)の供給が高眼圧による軸索損傷によって阻害される. その結果, 神経栄養因子が枯渇することによって網膜神経節細胞のアポトーシスの形態で示される細胞死に至ると考えられている(図).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。