The Front Line(研究会/施設紹介インタビュー)
「喘息死ゼロ作戦」における取り組み~鹿児島大学呼吸器内科学~
掲載誌
International Review of Asthma & COPD
Vol.14 No.4 37-42,
2013
著者名
東元一晃
/
井上博雅
記事体裁
施設紹介
/
抄録
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
媒体
International Review of Asthma & COPD
「はじめに」鹿児島県はこれまで喘息死(人口10万人当たりの死亡者数)が全国平均の2倍以上と極めて多く, 都道府県別でもほぼこの10年常にワースト3位以内という順位で推移していることが知られてきました. われわれはこの状況を打開すべく, 2007年から鹿児島大学呼吸器内科系グループを中心に地域医療における喘息診療のネットワーク構築を目指して活動を開始. これらの活動は約5年を経てようやくある一定の成果を上げつつあるようにみえます. そういった中, 2010年6月には鹿児島大学呼吸器内科学教室が開講, それまで3つの内科系講座に分散していた力が結集し, 診療, 研究, 教育などさまざまな問題を解決していく環境が整ってきています. 本稿では鹿児島県における「喘息死ゼロ作戦」の概要を紹介しながら, 喘息診療のなかで医療連携や大学の果たす役割について考えてみたいと思います. 「鹿児島県の喘息死の状況とその背景」ガイドラインの認知や吸入ステロイド薬を中心とした標準治療の普及により, わが国の年間喘息死亡者数は1995年に7,253人とピークを示した後, 順調に減少し, 特に2000年以降の約10年間でほぼ半減, 近い将来2,000人を下回ることも予想されています(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。