全文記事
症例から学ぶ
併存症が問題となるCOPD症例
掲載誌
International Review of Asthma & COPD
Vol.13 No.3 29-33,
2011
著者名
福地義之助
記事体裁
連載
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症例
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
媒体
International Review of Asthma & COPD
はじめに
COPD(慢性閉塞性肺疾患:chronic obstructive pulmonary disease)は全身性炎症であるとする考え方が提唱されてから,肺以外の他臓器疾患のリスクの大きいことが注目されている1).このような肺外臓器疾患が,進行した肺炎症が全身にこぼれ出した結果なのか,それとも肺炎症と同時進行性に発症したものなのかについては現在のところ確定していない.併存症の定義は通常の合併症と異なり,他の臓器病変がCOPDの罹患によって偶然に合併するリスクを超えて見出される場合に用いられる.併存症が注目されているのは,COPD本来の治療に加えて併存症に必要な治療を加える必要があるためであり,またその発症メカニズムの検討がCOPDそのものの発症病理の解明に役立つことによる.
ここでは,COPDに動脈硬化症に伴う不整脈と腹部大動脈瘤,睡眠呼吸障害,喉頭癌,痛風など多様な肺外臓器疾患を伴った症例を提示する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。