消化管の新たな映像
第12回(最終回) 食道pH・多チャンネルインピーダンス検査
掲載誌
Frontiers in Gastroenterology
Vol.19 No.1 45-50,
2014
著者名
岩切勝彦
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川見典之
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星野慎太朗
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竹之内菜菜
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佐野弘仁
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田中由理子
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星原芳雄
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坂本長逸
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
診療科目
一般内科
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消化器内科
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老年科
媒体
Frontiers in Gastroenterology
「はじめに」 胃食道逆流症(GERD)治療における現在の問題点は, PPI抵抗性非びらん性胃食道逆流症(NERD)の病態である. 逆流性食道炎の治療に関してはPPIの常用量または倍量投与によりほぼ満足する成績が得られているが, GERDの約70%を占めるNERDに関しては, PPI常用量での治癒率は約半数である. 近年, このPPI抵抗性NERDの病態として, 胃酸以外の逆流の関与が指摘されている1). 胃酸以外の液体や空気の逆流を捉えるためには, 食道pH・多チャンネルインピーダンス検査が必須である2). 本稿では, 食道pH・インピーダンスモニタリング検査の概念・方法について概説する. 「食道pH・多チャンネルインピーダンスモニタリングの概念2)」 インピーダンス法は, 消化管管腔内のインピーダンス(電気抵抗)の変化により消化管内容物の移動を捉える検査法である. インピーダンスの大小を利用することにより, 消化管内容物が空気なのか, 液体なのかが判別できる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。