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消化器病研究施設紹介

沖縄県立中部病院消化器内科

菊地馨

Frontiers in Gastroenterology Vol.18 No.4, 36-40, 2013

[はじめに] 沖縄県立中部病院は, 那覇空港から車で約1時間, 沖縄本島中部に位置する"うるま市"(旧具志川市)にあります. 先の大戦において日本で唯一の地上戦を経験した沖縄は, 文字通り焦土のなかからのゼロからの復興でした. 医療においても, 野戦病院のごときテント小屋やトタン葺きの施設で傷病者や戦争孤児を収容していました. これらが統合され沖縄中央病院として開設されたのが当院の前身です. その後, 琉球政府立中部病院となり, 復帰後は沖縄県立中部病院として変遷を重ね現在に至っています(写真1). 当院の歴史のなかでのエポックメーキングは, 1967 (昭和42)年, 臨床研修制度が始まったことです. 医師不足に苦しんだ琉球政府は, 卒後の若手医師の研修を自ら行うことが沖縄の医師不足を解消する最善の方法であるとの結論に達しました. 当時は米国民政府下にあったため, ハワイ大学と提携し, さらに米国から指導医を招聘し研修制度を整えました.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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