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誌上ディベート

NASHによる肝癌

建石良介八橋弘佐田通夫

Frontiers in Gastroenterology Vol.17 No.1, 27-42, 2012

本ディベートは, 社会的にも注目されている「NASHによる肝癌」がテーマである. 建石は, (1)非B非C肝癌が増加していること, (2)アルコール消費量が減少傾向にあること, (3)肥満, 糖尿病, 脂肪肝が急増しているといった研究結果より, NASHによる肝癌が急増すると主張している. 一方, 八橋は, NASHによる肝癌は急増しないと主張している. その理由として, (1)肥満による肝発癌のリスクは肝炎ウイルスと比較して著しく低いこと, (2)非B非C肝癌症例の多くは飲酒歴を有し, 高齢であることを挙げている. 今後, 非B非C肝癌は増加すると予想しているが, その原因はNASHではなく, 飲酒と高齢と考えている. 両論文とも, 非B非C肝癌は増加するという共通見解を示しているが, 飲酒に対する見解が異なる. 建石はアルコール消費量が減少傾向にあることを指摘しているが, 少量飲酒の肝発癌に及ぼす影響については言及していない. 近年, 少量飲酒による脂肪肝改善効果も報告されており, 飲酒は発癌に対し抑制的に作用する可能性もある.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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