Summary
膵島(pancreatic islet)を分離し,1型糖尿病の治療に用いる膵島移植(islet transplantation)の臨床的効果が確認されたことから,膵臓を対象とした幹細胞操作法の開発に大きな期待が集まりつつある。再生医学の基盤科学である幹細胞生物学領域では,フローサイトメトリーを利用した精度の高い細胞分離法を用いた膵幹細胞(pancreatic stem cell)の選択的分離と特性解析や,膵β細胞の更新機構について理解が大きく進みつつある。また,細胞分化の可塑性(plasticity)についての検討も行われるようになってきており,インスリン分泌細胞の異所性誘導なども開発課題になってきている。一方,iPS細胞樹立法など革新的な細胞操作技術にも飛躍的な進歩がみられており,臨床応用に向けた幹細胞操作法の開発が多角的に展開されつつあるといえる。
全文記事
幹細胞研究
第2回 幹細胞の臨床応用 臨床応用に向けた幹細胞操作法開発における現状と課題
掲載誌
Frontiers in Gastroenterology
Vol.16 No.1 62-71,
2011
著者名
谷口英樹
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
糖尿病
/
消化器
/
再生医療
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
手術・救急
媒体
Frontiers in Gastroenterology
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。