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誌上ディベート

肝細胞癌に対する生体肝移植の適応

渡邊慶史高山忠利高田泰次上本伸二小俣政男

Frontiers in Gastroenterology Vol.14 No.1, 19-32, 2009

本企画「誌上ディベート」は問題点よりクローズアップすることを目的としており, このテーマに対して, あえて一方の見地に立った場合の議論であって, 必ずしも論者自身の確定した意見ではありません. 『適応を厳密にし, 成功率を高める立場から』 「はじめに」 肝細胞癌に対する肝移植は癌病変の除去とともにその背景にある慢性疾患を根本的に治療できるという利点がある. 1996年にMazzaferroら1)によるミラノ基準(単発ならば直径5cm以下, 2または3個ならば最大径3cm以下)内に限定すれば良好な生存が得られることが報告され, その後, 同様の報告がなされ2)3), 切除不能な肝細胞癌に対する治療として確立してきた. わが国における肝移植は脳死ドナーがほぼ期待できず, その99%を生体肝移植に頼っている. 2004年の保険診療の改訂に伴い, ミラノ基準内の肝細胞癌症例で肝移植が認められるようになったが, 非代償性肝硬変に肝細胞癌が合併した場合に限られている.

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