血管内治療による血栓回収療法(endovascular thrombectomy:以下「血栓回収療法」と記載)は,長足の進歩を遂げてきた.しかし,その有効性が証明されたのはつい最近のことであり,2015年に報告された5つの臨床試験(MR CLEAN1),ESCAPE2),SWIFT PRIME3),EXTEND-IA4),REVASCAT5))の成功を受けて,本療法はようやく前方循環の近位主幹動脈急性閉塞患者に対する標準的治療法として認知されたのである6).有効性を証明したとはいうものの,上記5試験はいずれも中規模試験であったため,個々の結果のみでは解明できない疑問も残された.すなわち,治療開始時間が遅い患者,高齢者,軽症患者,およびアルテプラーゼ静注療法の非適応患者に対する血栓回収療法の有効性は未証明のままであった.本研究の目的は,5試験のデータを共有することで,個々の臨床試験単独では解明し得なかった疑問を検証することである.
Journal Review
脳主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法―5RCTにおける各患者データに基づくメタ解析―
掲載誌
脳と循環
Vol.22 No.1 81-87,
2017
著者名
近藤 竜史
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
脳と循環
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。