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脳循環障害と病理

頸動脈tandem lesions

緒方絢山西博道植田初江

脳と循環 Vol.22 No.1, 5-7, 2017

頸動脈tandem lesionsとは,総頸動脈分岐部および内頸動脈起始部の狭窄に加えて,頸動脈における3cm以上離れたレベルに存在する狭窄を指す1)2).
頸動脈tandem lesionsに関しては,種々の側面から研究が続けられてきた.高度の頸動脈狭窄に対する頸動脈内膜摘除術の有効性は示されているが2),tandem lesionsがその効果にどのような形でかかわっているかに強い関心が寄せられてきた.Rouleauら2)による,自院例の頸動脈内膜摘除術例における頸動脈tandem lesionsの検索においては,総頸動脈,頸動脈サイフォン,頭蓋内主要脳動脈の近位部(A1,M1,P1)の50%以上の狭窄をtandem lesions として取り上げている.ここでは,脳血管撮影フィルム上の血管狭窄部をルーペで計測し,近辺の正常な動脈の直径を分母に,狭窄部の直径を分子にして狭窄度を算出している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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