<< 一覧に戻る

Case Report 今日の一例

回盲部・右半結腸切除術後のCrohn病患者に発症した脳静脈洞血栓症の1例

塩澤真之古賀政利本間一成豊田一則

脳と循環 Vol.20 No.3, 55-59, 2015

「はじめに」脳静脈洞血栓症は,上矢状静脈洞,直静脈洞,横静脈洞などの脳の比較的太い静脈に血栓が生じ,脳梗塞や脳出血を来たす疾患である.有病率は低く,症状は非特異的であり診断に苦慮することも少なくない.若年者にも起こる疾患であり,その背景には何らかの凝固亢進状態が存在する.日常診療で一般的に行う頭部単純CTやMRIのみでは脳静脈洞血栓症の診断精度は低く,病歴や臨床所見から本症を疑って適切な画像診断を行うことが重要である.今回われわれは16年間Crohn病に罹患して脳静脈洞血栓症を発症した比較的若年の男性を経験したので報告する.
「症例」45歳,男性,右利き.
「主訴」頭痛.
「既往歴」Crohn病(29歳時発症.近医で小腸大腸型Crohn病と診断され,34歳時に回盲部切除術,39歳時に右半結腸切除術を受けた.年1回定期的に検査入院を行っており,本症発症1年前の検査で小腸に多発潰瘍を認めるが寛解した状態と評価されていた).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る