特集 rt-PA血栓溶解療法とその周辺治療
rt-PA血栓溶解療法に必要な医療連携の構築
Community Based Acute Stroke Management
脳と循環 Vol.19 No.3, 33-37, 2014
[SUMMARY] 一人でも多くの市民に対してrt-PA静注療法に対応した超急性期脳梗塞診療を提供するためには, (1)継続的かつ効果的な脳卒中啓発活動, (2)地域の医療状況に適した病院前脳卒中スケールを用いた脳卒中病院前救護, (3)遠隔診療支援システムの整備を進めることが求められる. また, 急性期脳梗塞例の5%を占める院内発症脳梗塞は対応に苦慮するケースが多く, 全医療者が協力し診療体制を整備することが重要である.
「はじめに」 脳卒中は医療経済を逼迫する国民病であることは疑う余地がない. わが国における脳卒中患者数は300万人に迫り, 寝たきり原因の第1位である脳卒中は高齢社会の象徴といえる. 万が一脳卒中を発症した場合には, 脳卒中の2/3を占める脳梗塞であれば, 早期治療の切り札である組織プラスミノーゲンアクチベーターを用いた経静脈的rt-PA血栓溶解療法(rt-PA静注療法)によって転帰の改善が期待できる.
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