【特集 抗血栓療法と出血性合併症】
抗凝固療法と頭蓋内出血
Anticoagulant Therapy and Intracranial Hemorrhage
掲載誌
脳と循環
Vol.19 No.2 33-37,
2014
著者名
外山祐一郎
/
矢坂 正弘
/
齊藤正樹
/
下濱 俊
/
岡田 靖
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
媒体
脳と循環
「SUMMARY」 新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulants:NOAC)における頭蓋内出血発症率はワルファリンと比較して大幅に低い. その理由として, 脳に組織因子が多いことやNOACが第VII因子の血漿濃度に影響せず, 外因系凝固カスケードが発動しやすいことなどがあげられる. 抗凝固療法中に頭蓋内出血が発生した場合の緊急是正として, ワルファリン療法中は第IX因子複合体とビタミンK投与が最も効果的である. NOACの場合は胃洗浄や活性炭投与, 第IX因子複合体の投与などを考慮する. 「はじめに」 心原性脳塞栓症における抗凝固療法は, 再発予防に有効である一方で大出血や頭蓋内出血の発症率を上昇させる. 本稿では抗凝固療法中の頭蓋内出血の頻度, 特徴, 急性期の対応と予防方法についてワルファリンおよび新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulants:NOAC)を対比しながら概説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。