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特集 抗血栓療法と出血性合併症

(座談会)抗血栓療法と出血性合併症

棚橋紀夫豊田一則野川茂吉村紳一

脳と循環 Vol.19 No.2, 11-19, 2014

「それぞれの抗血栓療法と頭蓋内出血」 棚橋(司会) 抗血栓療法は現在, 血栓溶解療法, 抗血小板療法, 抗凝固療法に大きく分けられますが, いずれの療法においても出血性合併症が起こり得る, 諸刃の剣であります. 出血性合併症としては特に脳出血が大きな問題になりますが, 近年は消化管出血も注目されるようになってきました. そこで今回は, 「抗血栓療法と出血性合併症」というテーマで討議したいと思います. まず豊田先生に, 血栓溶解療法と頭蓋内出血についてご説明いただきます. 「1. 血栓溶解療法と頭蓋内出血」 豊田 いくつかの疫学調査によれば, 日本人や中国人など東アジアの人たちは白人やヒスパニック系あるいは黒人の人たちよりも脳出血が多いとされています. 血栓溶解療法としてのt-PA静注後36時間以内の症候性頭蓋内出血が, わが国のt-PA承認前の2002年の調査(J-ACT)で5.8%, t-PA承認2年後の全国調査(J-MARS)では3.5%, 国内多施設でのSAMURAI rt-PA登録研究では1.3%の頻度で発現していました.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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