【特集 心臓病と脳卒中】
虚血性心疾患と脳卒中:脳卒中医の立場から
掲載誌
脳と循環
Vol.18 No.3 43-49,
2013
著者名
田中智貴
/
長束一行
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
高血圧
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
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脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
[SUMMARY] 近年, 虚血性心疾患の急性冠症候群(ACS)に対峙するものとして, 脳卒中分野では急性脳血管症候群(ACVS)が提唱されており, 脳卒中における病初期での急性期治療が重要視されている. また, 虚血性心疾患と脳卒中はお互いに密接な関係であり合併例も多い. 双方の治療方針については共通点が多いが, 一部異なった考え方の部分もあり, それらの相違点について理解し治療にあたることが重要と思われる. [はじめに] 虚血性心疾患と脳卒中は同じ血管病であり, お互いに密接な関係となっている. 脳梗塞の中でも, アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞は虚血性心疾患とリスク因子が共通するところが多く, また脳梗塞の中でも心原性脳塞栓症の多くは心房細動が原因であるなど, 両者はお互いに切って離せない関係であるが, 異なる部分も多くあり, 治療の上で双方についての知識をもっておく必要がある. 本稿では, 脳卒中医からみた虚血性心疾患との関連, 治療薬における相違点について述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。