脳卒中の治療技術
4.5時間時代のrt-PA静注療法
掲載誌
脳と循環
Vol.18 No.2 57-62,
2013
著者名
佐藤祥一郎
/
豊田 一則
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
「はじめに」2005年10月, 遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクティベータ [recombinant tissue-type plasminogen activator:rt-PA;一般名アルテプラーゼ(alteplase)] を用いた脳梗塞発症3時間以内の超急性期血栓溶解療法が国内承認された. 2012年8月には, 治療開始可能時間を3時間以内から4.5時間以内に延長することが承認され, 同療法は4.5時間時代に突入した. 日本脳卒中学会では, 本療法の承認と同時に, 「rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針」を発表した. 以後, 国内では同指針に従って4万例を超える治療経験が蓄積され, 多くのエビデンスも明らかにされた1). 今回の治療可能時間延長に伴い, 同指針は, 適応外項目, 慎重投与項目を中心とした大幅な見直しが行われ, より多くの患者が本療法の恩恵を受けられる方向に改訂された2). 本稿では, 同指針第二版の重要な変更点を解説するとともに, 当院における本療法の実施体制についても述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。